その頃、私はまだ現役のサラリーマンでしたが、日本人は仕事好きで、仕事熱心という先入観がありました。したがって最初は意外な結論と思いましたが、実態調査結果なのでショックを受けました。その後も、日本人による職業観の調査で、同じ結論が出されています。
鈴木賢志 『日本人の価値観』(中公選書)によると、「たとえ余暇が減っても、常に仕事を第一に考えるべきだ」という意見に「強く賛 成」とこたえたひとの割合が最も少ない、すなわち「世界でいちばん仕事が嫌いな国民」です。
下表は、「たとえ余暇が減っても、常に仕事を第一に考えるべきだ」という意見に「強く賛成」とこたえたひとの割合で、いわば、「世界仕事人間ランキング」です(橘玲公式BLOG)。
また、日本の労働生産性は主要先進7カ国でみると、データが取得可能な1970 年以降、下位の状況が続いています(公益財団法人 日本生産性本部)。
国や職場では、以上の問題を重要視せず、原因調査と対策に真剣に取り組まず、長期間、放置してきたのではないでしょうか。その結果、日本経済の長期低迷にもつながってきたように思います。
日本人の仕事嫌いと労働生産性の低さの原因には、産業構造から労働環境、職場教育、国民性まで色々とあるでしょう。
他人や職場や国に期待しても始まらないので、まずは個人でできることで、仕事に対してヤル気が出て、生産性が上がることから、やってみたらどうでしょうか。
以下は私の提案で、サラリーマン時代に心がけていたことです。
① 職場の強みを発揮するために、構成員の情報と知恵を集めて活かすように(これができない組織が多い!)、発言しやすい職場環境を作る。例えば、他人の意見を批判しない・叱らない、悪い情報ほど上司に早く伝えて、早く対策が打てるようにするなど。
② 権限の範囲内で、部下に新しい仕事や仕事の進め方にチャレンジすることを積極的に支援し、自分も率先実行する。
③ 新たな仕事や展開にはストーリー作りから始める。四苦八苦しながら、目的、方法、スケジュールなどを、他人に分かりやすく物語れるように文章化する。これにより、行きあたりばったりの非効率な仕事を避け、職場の協力も得やすくなる。
④ 会議では必ず、何をいつまでに誰がやるかを決める。
⑤ 職場の非正規雇用者を年二回接待して飲み会をする。職場の重要な戦力となっている弱い立場の人を大事にして、その仕事に感謝する。もちろん、正規職員の懇親会も行う。
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