私の「1日2食」は順調に経過しています。空腹時にはナッツやヨーグルトを食べています。まだ1ヶ月半しか経過していませんが、疲れにくく、頭が冴えてきた感じがします。
少食健康法は古くからあります。その多くの効能は、前回のブログで紹介した、青木厚著『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)や三浦直樹著『空腹が健康をつくる』(ナツメ社)に書いてある健康改善効果と同じです。しかし食事の内容や方法が少し異なっています。当然のことながら、まだ「オートファジー」機能が活性化して健康になることは分かっていません。ここでは、今までの代表的な3つの少食健康法のエッセンスを紹介します。
1 西式健康法
西勝造氏が1927年(昭和4年)に発表され健康法です。西氏はもともと体が弱く、医師から20歳まで行きられないだろうと宣告され、自分で古今東西の文献を読破し、各種健康法を自ら実践して、20年をかけて作り出した健康法です。
朝食抜きの生菜食(火を通さない生ものを食べる、生野菜ジュースなど)、柿の葉茶の飲用、温冷浴、背腹運動、合掌合蹠運動、金魚運動などの実践で、病気を寄せ付けず、真の健康体になり、健やかに老いることができると主張するものです。この健康法は、現在まで根強い人気を得ています。
朝食抜きの生菜食にすると、現代医学で治療法がない難病が劇的に改善することが珍しくないそうです。膠原病、筋ジストロフィー、関節リュウマチ、C型肝炎などの難病の大半に効果があります。
西式健康法・西会本部 著『西式健康法入門―ほんものの健康を手に入れるために』(平河出版社)が参考になります。
2 甲田式健康法
多くの病気で苦しんだ甲田光雄氏は、医師を志して大阪大学の医学部に入学し、大学病院へ入院して現代医学の治療を受けましたが、病状は一進一退でした。その後、上記の西式健康法に出会い、断続的に何度か断食を繰り返し、5年も経過したらすべての病気が治り、健康体になりました。それからは薬を出さない、注射も打たない医師となり、断食の指導をしました。
断食には、3日以上の「本断食」、「1日断食」、「半日断食」があります。中でも「半日断食」は簡単で、安全で、一人で実行でき、しかも効果があります。甲田医師が勧めるのは、朝食を抜く「半日断食」です。その基本は、
①朝食を食べずに、午前中は水分(生水、柿の葉茶、生野菜ジュースを0.5L以上)のみをとる。
②昼食と夕食の量はふだんより軽めにし、間食や夜食をしない。
③水分を1日1.5~2Lを目安にとる。アルコールはビールなら大1本、日本酒なら1合、ウィスキーならW1杯。
④メニューは玄米菜食とし、慣れてきたら肉や乳製品を避け、油、刺激物は避ける。
⑤夕食から昼食まで、最低18時間以上の間隔をあける。ただし、2時間以内の誤差は許容範囲とする。
断食は難病を治すだけでなく、スタミナが付く、宿便を排せつする、免疫を上げる、活性酸素を減らす、体脂肪が減る、肌が綺麗になる、冷え性が治るなど多くの効能があります。
甲田光雄著『奇跡が起こる半日断食』に、具体的な断食の方法や体験談が載っています。
3 石原メソッド
石原結實氏は、幼少期から虚弱で、扁桃腺炎や気管支炎をおこしたり、大腸炎を患って、よく発熱した。高校に入ってからは過敏性大腸炎で、頻繁に下痢を繰り返しました。西洋医や漢方医に診てもらい、薬を処方してもらったが、ほとんど効果がなかったそうです。
大学1年の時に「西式健康法」の本に偶然出くわし、実践してみました。朝食をやめて、キャベツで造った青汁を飲むようにしたら、下痢の回数が減り、「しぶり腹」(排便しても残っている感じ)が全く消失したそうです。
医師になり血液内科を専攻し、白血病、再生不良性貧血、悪性リンパ腫などの治療をしたが、今ほど効果のある治療法がなく、西洋医学に限界を感じました。海外数カ国で自然食運動の視察、長寿村の研究、自然療法病院での研修を積み、1982年から東京で診療所を開き、漢方薬だけを処方する診療と生活指導を行っています。
食事は簡単で楽な「朝食抜き」を勧め、朝は黒糖と生姜を入れた紅茶、人参・リンゴジュースを1、2杯飲む。昼食は蕎麦にし、ネギと七味唐辛子を加える。夕食はアルコールを含めて、何を食べてもよい。食事や風呂などで、体を温めることも重視しています。
少食、空腹は、癌や白血病、糖尿病を含めて万病を防ぎ、治します。さらに鬱気分がなくなり、体のだるさがとれ、睡眠時間が短くなり、性力が強くなり、二日酔いを防ぎ、不妊治療になります。
石原結實著『「空腹」療法』(ロング新書)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)では、「1日2食」あるいは「1日1食」による健康法を説いています。
4 まとめ
今回、少食健康法として、「西式健康法」「甲田式健康法」「石原メソッド」の3方法を簡単に紹介しました。「甲田式健康法」と「石原メソッド」は、「西式健康法」がベースになっています。いずれの少食健康法も、基本は「朝食抜き」を勧めています。3方法で推奨する食物、飲み物などは異なっていますが、自分に適合するものや入手しやすいものを選択すれば良いと思います。
3つの健康法の確立者は、自分の難病を克服するために実践してきた方法を具体的に開示しているので、説得力があります。また多くの体験談を読むと、万病が治ることが理解できます。これらの少食健康法が広がると、医者、飲食業者、食料生産者は、きっと困るでことしょう。
